50 First Dates

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[邦題:50回目のファーストキス]

結末までは書きませんが、内容の詳細をけっこう書くので
この映画を予備知識なしで観たい人は読まないでください。

舞台はハワイで、ドリューバリモアは交通事故のせいで、その日に起こったことを
夜寝て次の朝に起きたら全部忘れているという、脳に記憶障害がある女性。
事故に遭う前の記憶は全部あって、毎朝起きたらその日は事故の翌日だと思って暮らす。
次の日に起きたら、前日のことは何も記憶になくて、また事故の翌日としての1日が始まる。
一生それの繰り返しで、家族もドリューに真実を隠してその暮らしに付き合っている。

アダムサンドラーは水族館の獣医で、ドリューに恋をして彼女と仲良くなるが
ドリューの記憶には残らないので、翌日にはまたアカの他人に戻っている。
だから毎日、ドリューと出会って好きになってもらえるように
色々趣向をこらして頑張る。
そういう話。

これはCMなどではロマンティックコメディーと見せかけてるけど、全然違った。
正統派ラブストーリーに、アダムサンドラーとドリューバリモアがおもしろいもの好きだから
ちょこちょこ笑える部分を足しといたよ、みたいな映画だった。
だから、いつものアダムサンドラーのコメディを期待して観に行った男性は
「ラブストーリーかよ!」ってなるか、「いやーいい映画だったよ」となるか、どっちか。
女性にとっては、感動的なラブストーリーとしての印象が残ることになる(はず)。

私はずっと泣いていた。
まずドリューが哀れ。
毎日「今日は日曜日。お父さんの誕生日」と思って生きてるなんて。
事故からとっくに1年も経ってるのに何も知らずに毎日同じことして生きている。

そして、それに付き合うドリューの父と兄。
ドリューの「今日はお父さんの誕生日」という思い込みを守るために
毎朝、大量に印刷してもらった誕生日の日付の新聞をポストに入れて
毎日同じ誕生日ケーキを食べて
毎日同じフットボールの試合(ビデオに取ってある)を初めて見るような顔して見る。
ドリューが寝たらため息をついて、ケーキを捨てて、今日という日の証拠を全て捨てて
ドリューがガレージの壁に描いた絵を白いペンキで消して、
翌日また「誕生日プレゼントにこの壁に絵を描いてくれ」と言う。
1年もそんなことを繰り返しているのです。
娘を、妹を守るためにそんな生産性のない努力を重ねてきたのだと思うと泣けた。

それとは対照的な、アダムサンドラーの前向きな努力。
好きになってもらって翌日には記憶に残らなくても、また好きになってもらえばいいという姿勢。
毎日毎日、ドリューが朝食を取りに来るレストランで話しかけたり
ドリューが通る道に色々細工したり、雨の日も風の日も彼女に“初めて”出会う。
記憶障害がある女の子を好きになったからって、ここまでする男がこの世に何人いるか。
(というか1人もいないと思うけど)
涙ぐましい努力の連続に、もう泣くしかなかった。

初めは「あの子をそっとしといてくれ。あの子には未来なんてないんだ」と言っていた父と兄も
アダムの情熱と愛情と忍耐強さに打たれて、彼を娘の恋人として受け入れる。

ある日、ひょんなことからドリューは今日がお父さんの誕生日でも、日曜でもないことに気づく。
父はドリューに事故の記事、写真、カルテを見せて真実を話す。
ドリューは打ちひしがれて眠りにつく。
翌朝起きたら、また全て忘れている。

アダムはこんな生活を変えようと
「君は事故に遭って以来、記憶を24時間以上留めておくことが出来ない。
でももう事故から1年以上経っていて、僕と君は出会ってお互い好きになったんだよ」
というビデオを製作する。
毎朝ドリューが起きたらそれを見せ、ドリューも毎朝それを受け入れ
2人は少しずつ仲良くなっていくけれども、みたいな展開。

ストーリーはこれ以上書きません。

でも、本当に良い映画だった。
現実にはあり得ない話でも、観る人にいい夢を見させてくれると言う意味で
映画らしい映画だった。

ドリューのイノセントなイメージと天使系の笑顔、
アダムの「本当は誠実な人なのにふざけて生きてる」というイメージが役にピッタリで
この2人にしか出来ない演技だった。
シリアスなラブストーリーにしようと思えば出来たのに
アホらしいコメディーの要素も加えちゃったところが、この2人らしくてまた良かった。
(2人の映画制作会社が共同で作ったので)

絶対DVDも買うし、来週もう一回観に行くと思う。
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# by amica_bambina | 2004-02-29 07:11 | Films "0-9"

岩井俊二の打ち上げ花火

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?
/ ビデオメーカー
ISBN : B00005G1GE

Love Letterのことを書いたついでと言ったら何だが、私は岩井俊二作品のファンだ。
Love Letterが公開される頃に深夜に彼の特集番組をやっていて
過去のテレビ作品が放送されていたのを見て、中学生なりに衝撃を受けた。
映像というものが芸術であることを初めて知った。

ちょうど春休みだったのだが、当時から夜型だったのでたまたま見れたのだ。
夜型なんてロクなことがなくて、朝方になりたいと思っているが
岩井俊二の作品に出会えた件に関しては
「神様、夜行性にしてくださってありがとう」という気持ちだ。

特に好きなのはスワロウテイルと打ち上げ花火。
スワロウテイルは有名だし高い評価を受けているし
最近観ていないので、また今度の機会に書くことにする。

打ち上げ花火も何年も観ていないが、ちょっと紹介。
この作品はフジテレビの『If~もしも~』というオムニバスドラマの中の一話として製作された。
あまりにも出来が良かったからだろう、映画じゃないのに岩井俊二はこれで
映画監督協会の新人賞をもらったらしい。
視聴者からの反響も異常に大きかったので後に映画として劇場公開されたという
エピソードもある、まさに伝説の作品なのだ。

小学生の男の子の夏休みのお話で、クラスで一番可愛い女子が転校してしまうとか
プール掃除の当番とか、花火は横から見たら平べったいのかという疑問とか
日本で育った日本人が共通して持っている『夏休みの思い出』的な話だ。

子供時代の夏休みというものの儚さと永遠性が岩井俊二独特の映像美で、
濃いけれど淡い色で描かれていて
観るといつも、これからいくつも夏休みを経験する小学生が羨ましくなると同時に
小学生は大人になるまで、夏休みの本当の意味での貴重さに気づかないから悲しいな、と思う。

主人公の男の子はあっぱれさんま大先生に出ていた頃の山崎裕太で
いかにも小学生の男の子らしくてすごくいい。
観るたびに意外と演技の上手い子役だったんだなぁと思う。
転校してしまう女の子は奥菜恵で、圧倒的に大人っぽくてキレイで
山崎裕太の子供らしさとの対比がまたすごくいい。

2人とも私と同い年くらい。
『打ち上げ花火』は、私の世代の『おもひでぽろぽろ』だ。
勝負にスラムダンクの最新刊を賭けていたのは、まさにこの世代。

岩井俊二作品に共通しているのは懐かしさなのかもしれない。
スワロウテイル以降の作品は観れていないのだが、またチェックしようと思う。
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# by amica_bambina | 2004-02-22 15:21 | 日本映画 あ行

Love Letterと中山美穂

Love Letter
/ キングレコード

久しぶりにLove Letterを観てみた。
日本で買ったビデオをロスまで持ってきているのだ。
何回観ても綺麗な映画だった。
今回初めて「登場人物はみんな悪意がないしリアルさがない。
もしかして夢みたいなキレイごとだけの映画なのかも」と思った。
そうだろうと何だろうと、こういう映画もないといけない。
この映画はノスタルジーが全てで、あとの要素は別に必要ないからいいのだ。

もう何回観たかわからないくらい観ている好きな映画の一つだが
もう一つ、今回初めて気づいたことがある。
この映画に映っている中山美穂は、今の私と同じくらいの年だということ。
この映画が公開されたのは1995年で、私は15歳だった。
中山美穂は私よりちょうど10歳年上なので、撮影当時は23,4だったはずなのだ。

これはちょっとショックだった。
私も今年24になるというのに、この違いはナニ?と思った。
見た目の大人っぽさとかいうことじゃなくて、女性としての存在感やプロ意識のことだ。

15歳の私がこの映画を観て、中山美穂に理想の女性像を見て憧れるのは当然だが
10年近く経った今、当時の彼女と変わらない年になって同じ映画を観ても
やっぱり中山美穂は『大人の女性』として私の目に映った。

よく考えると彼女はこの時点で芸歴10年なので、プロ意識も落ち着きも表現力もすごい。
世間の23、4歳の女性より大人なのは当たり前と言えば当たり前だ。
ましてやまだ学生をやっている私が近づけるはずもないのだ。

しかし、そういうことに今回初めて気づいた。
今まではただ彼女の美しさや儚さが好きで、生活感のない妖精みたいに思っていたけど
仕事に対する姿勢に関しても、10年も前から『素敵な女性』であったのだ。
きっと私は33歳になっても、23歳の中山美穂に負けてる。
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# by amica_bambina | 2004-02-22 12:46 | 日本映画 ら行

『モスクワ』に騙されるな

昨日見に行ったバレエは、ものすごくしょうもなかった。
モスクワ・フェスティバル・バレエなんて聞いたこともない団だけど
一応モスクワだし、演目は白鳥の湖だったので期待していたのに・・・

さすが、うちみたいな郊外のカレッジに公演に来るだけのことはある。
「チャイコフスキーも草葉の陰で泣いてるやろ」ぐらいの勢いだ。
去年の秋にコダックシアターに観に行ったキーロフバレエに比べたら(比べる時点で間違ってる)
小学生のお遊戯会としか言いようがない。
隣に座っていたダンスのクラスメイトのハンナも
「全体的にプロのレベルじゃないわね」とバッサリだ。

背景も衣装も安っぽくて、肝心のダンサーも3流。
さすがにオデット役はマシだったが、あくまでもマシというレベル。
二役の黒鳥も、どうにか32回転は回っていたが
一回ごとに伸ばす軸じゃない方の足が、まっすぐ伸びきってなかった。
王子役も道化師役も、跳躍にダイナミックさも美しさもなく・・・
本来ウットリするはずの白鳥のコールド(群舞)も足音ばっかり際立ってキタナイ。

そして4羽の白鳥。
あの白鳥の湖で一番有名な、4人で手を組んで同じ動きをする4羽の白鳥。
首の動きバラッバラ。

レッスン場に鏡もないのか。
ていうか監督は何してるのか。
団員みんなバイトなのか。

もう寝るしかなかった。

無料で見ただけだから、寝てれば済んだので良かった。
でも他の客はなかなか楽しんでいたようだ・・・
本物と偽物の区別ができる自分が嬉しかった。
やっぱり一流の芸術というものは、出来るだけ観賞しておいたほうがいい。
せっかくアメリカにいるんだから、これからもジャンジャン観よう。

4月にディズニーホールに来るアメリカン・バレエ・シアターが楽しみだ。
キーロフには適わないにしても、全米トップの団なのだから素晴らしいに決まってる。
ロシアバレエとアメリカバレエの違いも観ることができるし・・・

しかしモスクワ・フェスティバル・バレエはしょうもなかった。
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# by amica_bambina | 2004-02-22 06:26 | 2006年6月までの日記(非公開)

サムライの映画

たそがれ清兵衛
/ 松竹

アカデミー賞の外国語映画賞に、山田洋次監督の”たそがれ清兵衛”がノミネートされた。
日本映画がノミネートされるのは何十年ぶりらしいしビックリして
早速日本のビデオ屋に行って借りてきた。

久しぶりにこんないい映画を観たと思った。
ラストサムライが、単に外国人がサムライを美化して作った映画に思えた。
単に好みの問題だけど、女の私としては斬り合いとか自分の信念を貫くための切腹とかよりも
一人の貧乏な侍がいて、家族を愛しながら毎日真面目に暮らしていたという
映画のほうが共感が持てた。

貧乏でも地味でも、真面目に頑張って生きることが一番美しいと教えてくれた。
清兵衛は欲に負けずにただ一生懸命暮らしていた。
そんなの実行できる人なかなかいないもんだ。
心が洗われた気がした。

真田広之はラストサムライでもかなり格好良かったが
ここでも、貧乏くさいけれど魂は高潔という役にピッタリで素晴らしかった。

この映画がアメリカのアカデミーで評価されたというのは嬉しいことです。
もっとこういう日本映画が増えればいいのにと思う。
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# by amica_bambina | 2004-02-13 14:31 | 日本映画 た行