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Malèna

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[邦題:マレーナ]

今ジュゼッペ・トルナトーレの「題名のない子守唄」がマイブームで
繰り返し観ているうちに、久々にマレーナも観たくなって観ました。

マレーナはずっと好きな映画で、何度も観たことあるけど
驚いたことに、「題名のない子守唄」を観慣れてから改めて観てみると
「題名の・・・」の方が完成度が高すぎて、マレーナは今までのような感動がなかった(汗
ちょっと薄味に感じたというか。
まぁ、「題名の・・・」は女性目線の映画だから私がより共感しやすく、
マレーナは男性の方が共感しやすい映画という要素もあると思うけど。

マレーナは、松ちゃんの「シネマ坊主」でも高評価を受けてて
「男女の恥ずかしい心理を巧く描いてる」って書いてます。
大槻ケンヂは、「主人公の少年がマレーナのパンツを盗んで
頭にかぶってるところを父親に発見されて怒られた時に
『フランスの帽子だよ!』と誤魔化すのが素晴らしい」と評しています。

本当に、少年の性妄想を余すことなく書いてるように女性の私には見えるし
少年だけじゃなく、町中の男の人がマレーナを性欲の対象としてしか見てないのが
怖いなーと思った。

トルナトーレの撮り方も、完全にそういうふうにマレーナを見せようとしてて
マレーナはあまりセリフもなく、人間性が見えてこない撮り方。
そういう目でしか自分を見てもらえなかったら、夫と父親を亡くして生活できなくなった場合
もう体を売るしかないっていう悲しい展開。

それもまぁ全部戦争のせいなんだけど、戦争の影響はさりげなーく入ってる程度で
あくまでもメインは少年と、少年の目から見たマレーナという選択肢も好き。

そしてマレーナが堕落していってもマレーナの心の潔白を信じ続けている少年の純粋さが
マレーナを餌食にしまくってる性妄想とは矛盾してるんだけど、
やっぱりそこはまだ少年らしくて美しいなぁとも思いました。
by amica_bambina | 2009-11-27 21:27 | Films "M"
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