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Little Miss Sunshine

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[邦題:リトル・ミス・サンシャイン]

楽しみにしていた映画を観てきました。
Little Miss Sunshineとは、今年一番注目されたインディ映画で
田舎のダメ一家(と言っても明るくて別に悲壮感はない程度)が
ダメなりに一致団結するみたいな話で、とにかく明るい。

どんな家族かと言うと
お父さん(私の英文学の教授にそっくりなグレッグ・キニア)は
負け犬にならないための自己啓発プログラムを開発して
それを本にして出版しようとしてるというアホな男。

お母さん(いつも演技の素晴らしいトニ・コレット)は
家族に隠れてこっそりタバコを吸うのが止められない。

中学生の息子はニーチェに影響され
空軍パイロット養成学校に受かるまで口を利かない誓いを立てたため
常に無表情のまま、メモ帳とペンで筆談するのを9ヶ月続けている。
この男の子が、全く無名だけどすごい味のある演技をする子で
John Hederみたいになれるかも知れない。

7歳の娘はメガネでデブなのに
美少女コンテスト優勝を目指して、ダンスの特訓に余念がない。
(コンテスト名が映画タイトルの「リトル・ミス・サンシャイン」)
ちなみにこの子役は「サイン」に出てた女の子。
大きくなったなぁ・・・そして泣きの演技が上手すぎ。

元軍人のおじいちゃんは、ヘロイン吸引など素行が悪すぎて
老人ホームを追放されたので、この一家と同居している。

さらにお母さんの兄まで
ゲイの彼氏に捨てられてたうえ仕事もクビになり
自殺未遂を起こしたため、この一家と同居することに・・・

この兄を演じるのが「40歳の童貞男」で全米を笑いの渦に巻き込んだ
スティーブ・カレル。
コメディー映画の中で情けない男をやらせたら
彼とベン・スティラーとマシュー・ブローデリックが3本柱って感じ。

こんなダメ家族を軸にして、ハリウッドのビッグバジェット映画なら
家族の誰かが大病にかかったりして
くだらない感動系にしてしまいそうなところだけど
私はそんなやたらとドラマチックなことなんて起こらない
もっと普通の話のほうが説得力があって好きなのです。

この映画は、私の好きな「ナポレオン・ダイナマイト」とか
Mナイトシャマラン系の、誰もジョーク言ってるわけでもなく
真顔で真剣なこと言ってるのに、それがズレてて笑えるという
タイプのコメディになっていて、非常に面白かった。

でもそういうコメディは
やっぱり字幕で100%伝えるのは無理ということが立証された。
私と友達(アメリカで同じ大学を卒業しました)、その前に座っていた白人の男と
日本人の女のカップルだけは笑っているけど
他の客は別に笑ってないというシーンがいっぱいあった。

そして別の次元でも今回強く感じたのが
スクリーンに俳優とバックグラウンドが映ってて
俳優の演技を観るという、それは芸術鑑賞であるべきなのに
(ハリウッド大作なら芸術じゃないからいいけど)
そのスクリーンの下の方に何か字がいっぱい出てるのってほんと邪魔。

しかも映画館特有の手書きっぽい字体ならそれはそれで芸術的だけど
今回はなぜか普通のゴシック体だったので
相当ムードを壊す力があったな・・・

まぁとにかくこのダメ一家が、たまたま代打で美少女コンテストの
決勝に出ることになった娘のためにボロボロのワーゲンで
アリゾナからロスまで移動することになり
その移動中に散々なことがいっぱいあるという話。

面白い中にも、普通の人間が前向きに頑張ってるのを観るだけでも
結構泣かせる力があり、最後はちょっと元気になる感じの映画でした。
私らの前の回の上映が終わった時に出てきた観客の表情が
みな一様に明るかったのにも納得。
by amica_bambina | 2006-12-30 23:18 | Films "L"

犬神家の一族

犬神家の一族 通常版
/ 角川エンタテインメント

面白かったです、2006年に作ったとは思えぬ古くささが。
あまりの古くささに笑けるシーンもあるし、撮り方がねー
すごい昔の日本映画っぽくて、たぶんタランティーノが好きな感じの。
スパスパ画を切りかえたりとか、アップの撮り方とかカッコ良かった。
血とか生首も、明らかにウソもんって丸バレなのが逆に味みたいな。

別にストーリーはすごく面白いわけでもなく
普通に、いかにも昔のミステリーって感じなんだけども
テンポ良くバンバン進んでくれるから飽きないし
いかにも日本の昔のミステリーらしく
暗くてちょっと気持ち悪いとこが良かったなー
あの湖から死体の足が出てるのとか、白いマスクの人とか!

でも松嶋菜々子は何か微妙だった。
大和撫子な役だから合ってると言えば合ってるけど
「絶世の美女」とは言い難いし演技も上手くないし・・・
昭和22年の話やのに身長170cmの女がヒロインってのもねぇ。

そして深田恭子・・・昭和22年にあの眉毛とマスカラはないやろ。
すごい浮いてたけど、役柄自体が浮いてる感じだから
きっと「あの子なら上手く浮くだろう」とキャスティングされたのかも。

でも映画館で観る価値ありました、映画らしい映画だし
私のように昔の映画に苦手意識を持ってる人でも
また新しく作ってくれたらこうやって観る気になるし。
フラガールとかよりもこういうのが海外に出て行って欲しいなぁ・・・
by amica_bambina | 2006-12-22 23:28 | 日本映画 あ行

Abduction

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[邦題:めぐみ 引き裂かれた家族の30年]

『ユナイテッド93』と同じく、観たお陰で一連の流れがよーく解った。
テロの時は現場にいたために逆に詳細不明だったけど
拉致事件に関しては、日本で騒いでいる間ずっと日本にいなくて
日本のニュースは早朝か深夜しかやってなかったし
ネットでは芸能ニュースしか読まないという有様だったので
もうこの件に関しては外人並みに無知だったから、観て良かった。

日本でずっとニュース観てて経過を知ってる人は
別に今さら観なくてもいいかも知れない。
小泉総理が北朝鮮訪問した時とか、遺骨が偽物と判った時とか
そういうニュース映像のダイジェスト版ぽい作りで
作り手の感情がほとんど見えてこない感じだったんだよなぁ。
(拉致被害者の家族の感情はすごく出てたし
子持ちの人はもう悲しすぎて観れないだろうと言うくらいだったけど)

別にこの映画を作った外人夫婦が
横田夫妻にインタビューしてるのも映らず
ただ横田夫妻が話してるという映像だけだったり
ナレーションもなくて「めぐみさんの拉致から1年半後」とか
説明の字幕が入るだけで
あとはもう映像観て解釈してください、みたいな遠まわしな作りと言うか。

だからアカデミー賞の長編ドキュメンタリー部門の
ノミネートもらえなかったんだと思う。
ドキュメンタリー映画として優れてるとは言わないにしても
大変意義のある内容だったので良かったけど。

何にビックリしたって、めぐみさんが小学校の卒業式で
「流浪の民」という歌を合唱して
しかも「慣れし故郷を放たれて 夢に楽土求めたり」という歌詞の部分を
コーラス部だっためぐみさんが独唱したという事実。
こんな有り得ない話がフィクションじゃないなんて・・・

あと、めぐみさんの拉致の実行犯の後輩(元スパイ)が
インタビューに出てたのもかなり衝撃的だった。
しかも名前も顔も堂々と出してるし
「あの頃の北朝鮮の工作員で日本に出入りしてた人は
暇さえあれば日本人を拉致してましたね」とか言ってるし。

そうやって自分がいた組織の内情をバラしたから
「北朝鮮は僕を殺したがってると思うけど
恐くない、それが運命ですから」と言っていた。

彼はたぶん北朝鮮が狂ってることに途中で気づいて
亡命とかしたんだろうし
横田夫妻に会った時に、自分があんな組織にいたことを恥じて
すごく申し訳なく思ったらしい。
殺されるかも知れないのにこの映画にも出て協力したし
そういう人もいるのねー。

というわけで、本来なら日本人自ら作るべき映画を
外人が作ってくださってありがとうって感じでした。
まぁ日本人が作っても日本人しか観ないけど
アメリカ大陸人が作ったお陰で外人にもこれが広まるのはいいと思うし。
by amica_bambina | 2006-12-01 23:30 | Films "A"