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重力ピエロ

重力ピエロ

伊坂 幸太郎 / 新潮社



この人の本はほとんど映画化されているのですねー。
知らなかった。
「プール」の上映時間までの暇つぶしのために本を買おうとした時に
「重力ピエロ」の映画が素晴らしいと聞きながら見逃していたこともあって買ってみました。

「このミステリーがすごい!第3位」とか色々書いてあったので
ミステリーのつもりで読んだら、伏線が解りやす過ぎてオチの予測がついてしまい
もちろんその予測は当たっていて、それ以上のどんでん返しもなかったので
本当にこのミステリーはすごいのかと思ったけど
ミステリーじゃなく心理ドラマ的にはものすごく面白くて、15時間くらいで一気に読みました。

重いテーマだけどさくさく読めるし、
今や大槻ケンヂ以外の小説を全く読まない私でも違和感なく楽しめました。
まだ30代なのに5年連続くらいで直木賞にノミネートされてるし
ものすごい才能ですね。
他の作品も読んでみようかなぁ・・・
by amica_bambina | 2009-09-27 21:51 | My Bookcase

プール

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小林聡美、もたいまさこ、加瀬亮と「めがね」と思いっきりかぶったキャスティング。
外国で美味しいものを作って食べて暮らす日本人達という、「かもめ食堂」とかぶった内容。
ここまでかぶっているなら、同じように荻上直子さんが監督・脚本を担当したら
それはそれで3部作みたいになって良かったとは思うけど、なんと監督・脚本は全く別の人。

なんでこんな真似事としか思われないことをやるのか不思議だった。
どうしても、「かもめ食堂」と「めがね」の模倣にしか見えなくて損するし
全然別の俳優を使えば良かったんじゃ・・・という気もする。
エンドクレジットに、キャストの名前が出て写真が出て・・・っていうのも全く同じで
そこまで一緒にしなくても、と思ったし。

まぁ製作が小林さんともたいさんの所属事務所なのでしょうがないというか
元々そういう、前2作の延長線上にある映画なんでしょうが。
もしかして荻上監督が断ったのかな、同じようなのばっかり撮りたくなくて。

個人的には、「闇の子供たち」を観たばっかりなので
「タイはこんな綺麗事で済まされる国じゃないだろう」という気持ちもあったりして
最初はどうかなーという気持ちで観始めたけど
別に全然悪い映画ではなくて、すごく癒されるしみんなの演技ももちろん良いし
映像面とか、前2作より良いなーと感じるカットもいくつかありました。

一番良かったのは、映画が始まってすぐ加瀬亮がつまづいてこけるんだけど
そのこけ方かな。素晴らしかった。
加瀬亮は全編に渡って素晴らしかったです。
無表情で画面に映ってるだけで何かを語ることの出来る俳優さんで、ずーっと見ていたくなる。

小林聡美は母親役って言うのがピンと来なかったけど、実はヒッピーのような人で
娘を放ったらかしてタイに移住しちゃったという変わり者で、割り切ったクールな人間で
あーすごい合ってるなぁと思った。

タイ人の孤児の男の子と、自分の娘と3人でギターを弾きながら歌うところがすごく良かった。
その歌はてっきり70年代フォークなのかと思ったら、なんと小林さんが作詞作曲したオリジナル。
「君の好きな花」という美しい歌です。
演技もできて文章も書けて、そのうえ心に沁みる歌まで作れるなんて
日本の本物のカリスマは小林聡美だと思う。
小林聡美が料理を作っている映像を見ると安心するっていうのは
日本人が共通して感じる不思議なカリスマの力じゃないのかなぁ。

もたいまさこは、いつものように人間を超越した神様のような存在でした。
どんなセリフでもあの人が言うと特別な意味を持つ感じがしてすごい。
こちらもカリスマですね。

残念だったのは、キャッチコピーの「理由なんて、愛ひとつで十分だ」っていうのが
本編のゆるさと相反してて重すぎかなーということ。
愛って隣人愛のこと?親子愛のこと?そこら辺がちょっとブレていたような。
まぁゆるさが一番重要な映画だと思うからいいけど。

「かもめ食堂」にしても「めがね」にしても、この映画と同じように
やりたいことをやって、美味しいものを食べるというのが
良い人生の基本だという思想みたいなものが根底にあって
私もなるべくそうしようと思います。
by amica_bambina | 2009-09-26 14:54 | 日本映画 は行

おくりびと

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広末涼子が嫌いなのでなかなか手が出なかったけど、ついに観てみました。
広末涼子の役は別の女優さんにやってもらいたかったけど
他のキャストは良く、モックンも山崎努も、そして余貴美子と笹野高史もすごく良かった。

アカデミー賞で外国語映画賞を受賞したので、どこら辺が受け入れられたのかなーと考えながら観たけど
コメディーの要素を入れていたところはかなり良かったんじゃないかと思う。
そして、配偶者とか恋人とかが病気で弱って死んでいく過程だけを描いてミクロな感傷を誘うクズ映画が多い中で、
この映画は一般論としての、マクロな意味での死との向き合いを描いているところが良い。

簡単に予想のつく展開ではあったし、エンディングにもうちょっと何か欲しかったなーと思うし
芸術的な映画でもないけど、エンターテイメント性があって一般的に良い映画でした。

それにしても納棺師や葬儀屋の仕事ってあんなに偏見を持たれてるものなのかなぁ。
私が広末涼子の立場なら、あんなふうに思わないし実家に帰ったりしない。
確かに「3K」な仕事ではあるし、精神的にキツいから家庭生活に支障をきたす恐れはあるかも知れないけど、
医師とか看護師とかと一緒で尊い仕事だと思うし。
この映画のお陰で彼らに対する偏見が減るなら素晴らしい。
by amica_bambina | 2009-09-14 00:08 | 日本映画 あ行

闇の子供たち

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タイの児童人身売買(売買春、臓器売買のため)の話で恐ろしかったけど
実際に東南アジアでは子供が売り飛ばされて欧米人や日本人に買われているんだから
そういう酷いことを認識するには最適の映画です。

私はニュースもあまり見ないし新聞も読まないので、社会問題は映画で知るくらいで
人身売買系の映画もいくつか観ていますが、「題名のない子守唄」にしろ「堕天使のパスポート」にしろ
売られた人達は考えられないことをされて、斡旋する組織の人間の精神状態も考えられない。

お金がある人は何でも買えて、お金がない人は普通の暮らしが出来ないシステムになっているせいで
こんな酷い犯罪が横行して、政府やユニセフやどんな団体の救助も追いついてない。
環境破壊だけじゃなくて、もうとっくに終わってるのかもなぁ、地球は。

第三世界の貧しい子供のためにお金を寄付することは出来ても、
すでに売られてしまった子供のためには何が出来るのかわからない。
こうやってグダグダ文章を書くだけでなく、宮崎あおいちゃん演じるNGO職員みたいに
実際に現地に行って体当たりで救助活動を行う人は本当に偉いと思います。

監督は「顔」の阪本順治。
こんな映画を作るのは精神的にも物理的にも相当大変だったと思うし、もっと評価されてもいいのにな。
ちなみに「顔」も人間の心理を深く描いていて大好きな映画です。

終わりの方の江口洋介の秘密が解りにくかったのが残念だったけど
たぶんこういう意味かな?というので結局当たってて(後からネットで調べた)
原作にはない、映画版オリジナルのどんでん返しらしいけど
闇の深さがより深くなる感じで巧いなと思った。
by amica_bambina | 2009-09-13 23:43 | 日本映画 や行

World Trade Center

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[邦題:ワールド・トレード・センター]

この映画を9月11日に放送するのは罪だと思う。
だってこれ、映画が始まってすぐ警官が瓦礫に埋まって、最後に助けられるだけの映画でしょう。
てっきり自らの命を顧みず人々を救助する話かと思ったら
1人も救助しないうちに自分が埋まってるやん!て感じでした。

瓦礫の中のニコラス・ケイジとマイケル・ペニャしか映してないから
あの日どれほどひどいことが起こったか、何にも伝わらないし
わざわざ911を題材にしなくても、普通の消防士とか警察官とか軍隊とかの
ありがちなヒロイズム映画っていうだけでしょ。
主要な登場人物も全員よく顔の売れた俳優ばっかりだし。
オリバー・ストーンはもっと良い映画を作れる人のはずなのに、残念です。

こんな内容の映画のために911を利用しないで欲しい。
タイトルも「ワールド・トレード・センター」じゃなくて
「ニックとメキシコ人が瓦礫に埋まったよ」とかでいいんじゃないでしょうか。
ユナイテッド93を放送したらよっぽど良かったのに、金曜ロードショーは。
by amica_bambina | 2009-09-12 22:36 | Films "W"

1408

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[邦題:1408号室]

スティーブンキング原作の映画で最大のヒットとか書いてあったので借りてしまったけど
最後の30分くらいが全く意味が解らず、オチも解らずでした。

最初の方は刻々とホテルの部屋が恐ろしくなっていって面白かったんだけど
結局なんであんな恐ろしいことになったのかとか全く解らなくて
ストーリー破綻してる感じでした。
by amica_bambina | 2009-09-12 22:22 | Films "0-9"

The Graduate

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[邦題:卒業]

いつも思ってたけど、この邦題はわざと変えたんじゃなければ誤訳です。
「卒業」はGraduationで、原題のGraduateは「卒業生」とか「卒業した人」、人物を指す名詞なので。

この映画のエンディングは誰もが知っているとおり、
ダスティン・ホフマンが結婚式から新婦を連れ出して逃げ去るというもの。
大槻ケンヂは、「2人はバスに乗り込んで笑い合うが、すぐに自分達のしてしまったことの大変さに気づいて
笑顔が消えて終わる」みたいに書いている。

なんてエッジの効いたエンディング!と思って観てみました。
本当に笑顔が消えて、最後は無表情で暗転→エンドロールだった。
ロマンチックなだけで終わっていない、この後の現実を暗示する感じで素敵でした。

60年代の映画にしては面白い撮り方で画が単調じゃなかったところが良かったし
エレン役のキャサリン・ロスがものすごく可愛かった。
ダスティン・ホフマンは、私の中ではジャンヌ・ダルクの良心役とか
ミートザペアレンツ2のベン・スティラーのお父さんっていうイメージしかなかったけど
若い頃は今と違う感じだし、しゃべり方がフォレスト・ガンプのようなニコラス・ケイジのような
頭のとろそうな感じだし、けっこうビックリでした。

でもやっぱり何度も観ようと思うほどには濃くないんですねー、昔の映画は。
今の映画(ハリウッドのCGアクションとか日本の漫画・ドラマの映画化濫用は除く)と比べると
やっぱり人間の心理描写があっさりしてて物足りない。
今の映画は人間の深部を描いている、だから残酷な映画も多くなっているけれども
これは映画の退化ではなく進化だと信じたいです。

あと、この映画はスカボロー・フェアを何回も流しすぎ。
by amica_bambina | 2009-09-12 22:16 | Films "G"

I girasoli

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[邦題:ひまわり]

40~50代のおじさん達が好きな映画。
昔の映画は苦手だけど、これは特に古さを感じず退屈せず観ることができたものの
あまり感動はなくて残念でした。

戦争で行方不明になった夫を妻が必死に探すという感じのあらすじだったので
ロング・エンゲージメントやライフ・イズ・ビューティフルみたいな感じで
女性の愛の強さが美しく描かれてるのかと思ったけど
ソフィア・ローレンは眉毛がヤンキーの如く細く、妖怪人間ベラのようで怖かった。

戦争で夫が記憶喪失になって別の女性と結婚していたという
「はいからさんが通る」のような展開。
ロシアで消息を絶ったというのも同じ・・・これが元ネタなのかも。

戦争のせいでこんなひどいことが起こりうるというのは伝わるし
当時はこういうセンチメンタルな悲恋系の映画が流行っていたんだろうけども
どうも私にはこの映画の良さ、何が優れているのかは分からなかった。
by amica_bambina | 2009-09-12 21:56 | Films "G"